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伊平屋島

飾らない沖縄の姿がここにある
在りし日の琉球、あたたかな景色を守る島

沖縄本島北部「運天港」から船旅で約80分、北に向かい進むと現れるのが県内最北の島、伊平屋島だ。
開放的な自然と素朴な暮らしの姿、島人による謙虚な祈りの姿が静かなかがやきを放つ島を訪ねたい。

美しい風景に見る人々の気心
神々の加護に抱かれる島

太陽神を示す「てるし」の島と呼ばれる伊平屋島は、島の自然とともに生きる人々による健気な祈り、受け継がれてきた習わしへの畏敬が今に息づく神秘の島だ。それは「民族学の宝庫」とも囁かれるほど、古来行われてきた美しい祭祀行事、伝説や伝統芸能などが、比較的数多く残されている島の風景に見て取ることができる。
とりわけ神聖な場所として、島の人々が心を寄せる場所として有名なのが「クマヤ洞窟」。太陽神、天照大神(あまてらすおおみかみ)の天岩戸伝説が語られてきた洞窟には、島外から訪れる人も少なくない。

島を訪れる人々の胸を打つ
「ありのままの沖縄」の姿

数ある沖縄の離島のなかで、伊平屋島を選び訪れる人々にとって、足を運ばずにはいられない、心惹かれる風景が島にはある。
開放的な手つかずの自然と、悠久の時と島人との間で形成されてきた郷土色豊かな暮らしが織りなす「ありのままの沖縄」の姿がそこにはあるのだ。観光地化から距離を取ってきた島は、澄み切った海に白浜、サンゴ礁が続く海岸線、厳かな山々など、生命力に溢れる鮮烈な自然と、広大な田畑、風情ある街の集落など素朴で飾らない、人が紡いできた数々の景色で、静かなかがやきを放っている。

豊かな島米と、海の幸に満ちる街
伊平屋島の食と伝統の交わり

琉球古来の行事が、年中行われている伊平屋島の祭祀の多くは、稲作に関連している。先祖の田畑を守りながら、代々稲作を行う精神が脈々と受け継がれている島だからだ。加えて、豊富な湧き水にも恵まれている島では、土壌が豊かに潤されることから稲がよく育ち、現在も沖縄県内随一の米どころとしても知られている。
また、海神を迎え、豊漁を祈願する祭り「海神祭(ウンジャミ)」でも有名な島は水産業も盛んであり、沖縄三大高級魚「ミーバイ」をはじめ、特産のもずくなど、豊穣な海の幸にも溢れる島だ。

伊平屋島

【所在地】沖縄県島尻郡伊平屋村
【面積】20.66 km²
【アクセス】フェリー▶80分

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