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琉球王朝時代から伝わる熟成方法「仕次」で仕上げた、超限定本数発売の甕貯蔵古酒。10年古酒を親酒に、30年古酒も含む泡盛は、重厚さ、濃厚な甘い香りが際立つ一本。
古酒 甘み 泡盛 まろやか 芳香
1429年に建国された琉球王朝の時代とともに、誕生から約600年となる泡盛。首里城周辺の限られた街の住民のみ製造が許されていた酒は、名家の家宝として家々に大切に受け継がれては賓客をもてなしたという、沖縄の人々には魂にも似た酒だ。しかし、戦前までは数多存在していた、100年、200年の時を経た古酒も、大戦の戦火にかかり失われるという悲劇に見舞われる。古酒が奪われたこと、それは沖縄の人々にとっては、文化と平和を奪われた象徴的な出来事だった。
「もう一度、100年古酒を世に送り出したい」。戦後の大混乱のなかにも、古酒を復興させることで、沖縄の魂を子孫に伝え続けようと、戦後直後の1946年、沖縄県本部町で創業したのが山川酒造だ。戦火に消えかけた泡盛・古酒の文化に、再び明かりを灯した酒造は「古酒のやまかわ」として今なお親しまれ、100年後に続く“平和の象徴”を、蔵で熟成し続けている。
1世紀を超える古酒造りにおいては、酒を育てるための技術もまた、琉球王朝時代から伝えられている。「仕次ぎ」と呼ばれる熟成方法である。「人間も生まれて、思春期に迎える反抗期のように、お酒も暴れる時代があって。それから20代、30代にかけて円熟味を増して、年老うと時にはダレる時期もあって。その時に世代違いのお酒を入れると、また元気になると言われています。人にもお酒にも、バロメーターがあるんですね」。長い歳月をかけて育った、年数違いの古酒を注ぎ足し、活性化させることで劣化を防ぎ、かつ特徴的な円熟した芳醇さを醸す、複雑な「仕次ぎ」。その仕組みを、人の歩みに例えて教えてくれたのが、代表の山川宗邦さんだ。人の手と体力、長い気力を存分に必要とすることから、沖縄県内でも滅多に行われない伝統の技を守る蔵人でもある。「山川では、100年後も100年前の古酒が残る仕組みを作りました。蔵には40年、50年の古酒が、100年の夢を見ながら眠っています」。
仕次ぎのほかにも、やんばるの山から湧くミネラル豊富な清水や、理想の味を造り出す丸米や黒麹の使用、奥行きある味を育てる成分に最適な度数設定や濾過を行うなど、細やかなこだわりとともに自慢の銘柄を生む山川酒造。なかでも、その技とこだわりが光るのが、伝統的仕次古酒「長寿伝説 ゴールド」だ。「1992年蒸留」の県知事賞受賞酒を含む9本の甕で仕次ぎが行われ、毎年、古酒の日(9月4日)に限定本数のみ瓶詰めされる銘柄は、バニラやチョコレートのような甘く重厚な芳香と味わいに恵まれるワンランク上の古酒。注ぎ入れると眠りから覚めるように味わいが変わっていくという、玄人も唸る逸品だ。蔵人のおすすめは断然、ストレート。人生のハレの日には、香りが楽しめるスピリッツグラスに1/3入れて、少しずつ時をかけて味わってみてほしい。カカオ75%のビターチョコレート、時を駆けるロマンが、アテにお似合いだ。