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2021年に初めて数量限定で登場した、軸屋酒造の新商品。酒造初の樫樽貯蔵に挑戦した焼酎は、初年度発売以降、すでにファンを付けている逸品。
薩摩焼酎 芳香 芋焼酎
原材料名:さつまいも(黄金千貫)、米麹(国産米)
内容量:720ml
アルコール度数:25度
20歳未満の飲酒は法律で禁止されております。20歳未満へのお酒の販売は行っておりません。
大学を卒業して、さらに「英語が学びたい」のだと、日本の空を飛び立った一人のレディーがいた。念願のニューヨークでの語学留学は1年の予定。しかし気がつけば、彼女は7年の歳月を、気に入ってその街で過ごしていた。その間、世界中の誰もが凍てつく不況にあえぐ時代にも、保険会社や銀行にたくましく勤めながら過ごした、懐かしの“アナザースカイ”。それでも世界中の人々がいつでも憧れ、集った“ビッグアップル”の街並みを、やがては焼酎メーカーの蔵元となる決心を固めていた彼女は、どのように見つめていたのだろうか。
その彼女というのが、帰国後の2011年から鹿児島県さつま市、軸屋酒造4代目杜氏、2016年からは代表に就任した、軸屋麻衣子さんだ。昔から、新しい世界に飛び出す勇気はどうやら人一倍らしい軸屋さんは、父から継いだ酒造を大切に守りながら、新手法による銘柄を次々と誕生させている。
代々、紫尾山系のやわらかな口当たりの伏流水と、焼酎造りに適した寒暖差がある気候に恵まれ、1910年から北薩摩らしい深い味わいの焼酎を輩出してきた軸屋酒造。それに加えて、味を支える優れた技と、酒造りの流儀を守る甕蔵を引き継いだ軸屋さんであったが、同時に継承したものが、もう一つある。それは「製品は人なり」という社訓である。
酒造初となる黒麹を使用した「麗しblack」、他地域とのコラボレーションに挑んだ、話題性あるリキュールの数々。誕生させた銘柄が社訓を体現するかのように、軸屋さんは就任以来、チャレンジングな気質がにじむ商品開発に邁進してきた。そして2021年には、樫樽貯蔵による焼酎作りの道を拓いた「Ready to Fly ~名もなき空へ~」を発表。“羽ばたく準備はできている”と名付けた新銘柄とともに、軸屋さんは再び、まっさらな空を見つめている。
「日本のお酒では日本酒が、海外の方に飲まれるようになりました。焼酎はというと、私がいた当時のニューヨークでは、とある大手メーカーさんの焼酎だけが、日本人のバーに扱われている程度でした。日本酒のように焼酎を輸出させることが、長年の夢でした」。2022年からはニューヨークに向けて、本格的な輸出をはじめた軸屋さん。「Ready to Fly 」も、海外を視野に入れ、誕生させた銘柄の一つだ。オーク樽に3年寝かせた原酒と、甕壺熟成による原酒がブレンドされた焼酎は、芋焼酎本来の味をベースに、熟成と木樽による深い旨味と、甘い香りに富む一本に仕上がっている。ウイスキーを思わせる味わいの焼酎は、極力お湯割りにはせず、甘みを感じるハイボール、ピュアな味わいを楽しめるロックで飲むのがおすすめ。昨今、大変なご時世だからこそ、こってりとした肉料理と食べ合わせて、明日のために、疲れをソーダで流してみるのはどうだろうか。「こんな時だから頑張りましょう」と、軸屋さんも笑って見せた。