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自然栽培に近い環境で米栽培に取り組む、栃木県市貝町「続谷営農組合」が生産する国産米「あさひの夢」を使った琉球泡盛。希少な国産米での泡盛造りの技術を持つ宮の華酒造、自信の一本をご賞味あれ。
国産米泡盛 甘み 泡盛 芳香
「確か13、14年前の話です。代表が熊本で美味しいお米に出会ったと、感動して帰ってきて。そのお米で泡盛を造りたいと話すんですよ」。工場長の山原作栄さんは、代表の下地さおりさんの、あまりに斬新過ぎたアイデアに、衝撃が走った日のことを教えてくれた。常用のタイ米とは全てが異なる国産米での泡盛造りは、もとより無謀なものだと判断され、誰もが大反対したそうだ。「でも代表が、毎日そのお米で、おにぎりを作って来るんですよ。まずは食べて考えてほしいと。それが見事に美味くて、参りましてね」。マニュアルなしの酒造りには、想像を超える苦難と時を要したそうだが「はじめてお酒ができた時の香りが、とにかく良くて。今でも忘れません。」と、類い稀なる泡盛造りの始まりを、そう振り返った。
宮の華酒造では、自然に感謝し、愛を持って取り組む酒造りを信念としている。「自然を大事にする気持ちで酒造りに向き合うと、良いお酒になって帰ってきてくれると信じています」。そして「丹精と愛を込めて造る酒が、人とひとの思いを繋ぐものであるように」。そんな、宮の華の人々が酒に懸ける願いと、唯一無二の国産米泡盛造りの技術は、一本の銘柄を誕生させたのだった。「琉球泡盛 寒露の渡り」である。「寒露の渡り」とは、春は日本の本州・四国・九州、冬は温暖な南西諸島以南や東南アジアへと渡るタカ、サシバの渡りの群を指す愛称。酒造が位置する伊良部島は、日本有数の渡りの中継地であり「サシバが舞う自然を守りたい」思いのもとに繋がった、サシバの繁殖地・栃木県市貝町とは、日本自然保護協会が縁を繋いだことで、泡盛の共同開発が実現した。「寒露の渡り」、それはいかにも宮の華らしい泡盛なのである。
通常より長い時間をかけて丁寧にろ過が行われる「寒露の渡り」は、泡盛特有のピリッとしたような口当たりと雑味を抑えられており、華やかな果実香とふっくらと優しい口当たり、それでいて濃厚な味わいもクリアに表現されている。泡盛と水を好みの割合で割り、一晩から数日間冷蔵庫で寝かせる「前割り」は、酒造おすすめのいただき方だ。泡盛と水を馴染ませておくことで、水割りよりも一層まろやかな口当たりになり「寒露の渡り」本来の味を引き立たせてくれる。好みで水割りした一杯に、練乳をかける「練乳割り」も、島の人々には支持者が多く、ほんのり甘くて優しい味は、ついつい飲み過ぎてしまうほど。