珊瑚礁の島・宮古島の風土と蔵人の手で 育まれる、円熟した古酒。特別なまろやかさ

水と海、人と島酒を育んできた 珊瑚礁でできた島・宮古島から
人の手と感覚で 表情を読み取る細やかな酒造り


飲みやすさ、飲みごたえが共存する 「何杯でもすすむ」噂の熟成酒
おすすめの美味しい楽しみ方
ストレートから泡盛ソーダまで
- まずは常温のストレートで味わう
- その後にロック、水割りにして、香味を比べてみる
- 水割りにはお好みでシークワーサーを入れて爽やかに
宮古島の風土と、蔵人による手仕事、長期熟成の時が育んだ、円熟した味わいに富む古酒。バニラ、バナナのようなまろやかで甘みある香りは玄人にもビギナーにもおすすめ。
長い時を経て、珊瑚礁は隆起して宮古島に、砕けたものは美しい白浜になった。島に降り注ぐ雨は、珊瑚礁から成った岩によく染み入り、濾された雨は透き通る清廉な水となって、白浜に流れればあまりにも青い海を、人里に流れれば、命と島酒の源となった。この島の、上比根杜の麓から湧き出る伏流水となった水はというと、1948年創業の宮古島市「多良川酒造」へ流れて、美味しい泡盛を育ててきた。集落の人々に「多良川(タラガワー)」として愛されてきたミネラル豊富な天然水に満ちる酒造、その蔵からは、輝く海がよく見える。「この風土が、多良川の味を造ってきたんです」。宮古島の自然と歩んできた酒造りのことを、蔵に通る爽やかな潮風とともに教えてくれたのは、製造部の砂川聡さんだ。
特徴的な自然環境や気候のもとで行われる酒造りは、天候や湿度により仕上がりが左右される。そこに必ず必要なのは、人の手と感覚だ。製造の機械化が進む昨今においても、手仕事による工程を惜しまない酒造のポリシーのもと、蔵では人の手で触れ、麹の表情から状態や出来ばえを読み取る職人たちの感覚が大切にされている。麹造りはもちろん、米の蒸し時間、浸水時間などに至るまで、職人自ら調整を加えていく。
また、収穫量が多い砕米でなく、米粒のままの丸米を使うこだわりは、年月を重ね熟成させるほど、伸びるような甘みと香り、円熟したまろやかさを育てる、創業から変わらない古酒造りへの哲学を体現したもの。それらをさらに低温、暗室で管理される南蛮甕や洞窟貯蔵庫などで貯蔵し、深い味わいを育ててゆく。そんな多良川らしい酒造りがよく表現されているのが「琉球王朝 特選古酒」だ。
8年古酒をベースに、さまざまな年数の古酒をブレンドした「琉球王朝 特選古酒」は、熟成酒ならではの重厚感がありながら、バニラやバナナのような、まろやかで角のない香味、それでいてスッと降りるような心地よい喉越しが特長の銘柄だ。飲みやすさと、味わいある飲みごたえが共生する泡盛は、つい「何杯でもすすむ」という声も多く寄せられている。
古酒本来の味を楽しむにはまず、飲み方は常温のストレートで。そのあとに、オンザロック、水割りにして変化した香味を比べてみるのも酒造直伝の味わい方。水割りにはシークワーサーやレモンを一絞りして、清涼感を加えるのもおすすめだ。お湯割なら、お湯に泡盛を後入れすると香りがよく立つのだとか。島定番のおつまみは、伊良部島のカツオの刺身と海ぶどう。ストレート、ロックなら、豚の角煮や黒糖、マンゴー、ホワイトチョコなど、とろみある味わいのものが相性抜群。
おすすめの美味しい楽しみ方