
黒糖焼酎の入門編として 素直な甘さを感じてほしい1本
歴史や伝統にとらわれないことが 新納酒造の個性を磨く


産地:五島ワイナリー 五島ワイン
これまで常圧蒸留をメインにしていた新納酒造。すっきりとした口あたりを求め、初めて減圧蒸留に挑戦したのがこの「をちみづ」だ。原料香をできるだけ抑え、黒糖のやさしい甘みを残した味わいには、レモンや島ミカンなどの柑橘果汁を絞って飲むのがうまい。
創業大正9年の「新納酒造」は今年でちょうど100年目。この蔵では一次から三次仕込みまでをひとつのタンクで行ったり、牛乳製造用のミルククーラーを冷却濾過用に使用するなど、新納さんの慣例にとらわれない姿勢が「をちみづ」のような酒造りにも反映されている。
若い頃はお手伝い感覚で酒造りに携わっていたと語る、杜氏の新納仁司さん。頭では理解していたつもりの酒造りは、実際にやってみると知識不足を痛感し、県工技センターで研修を積んだそうだ。「焼酎造りは手間をかけた分、しっかりと味に返ってくる」と新納さんは笑った。